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抱きしめ合ったら脇汗

1年ごとテーマの変わる冬眠型もてらじ村民ブログ

オコノミ

 

小学生の頃から、お好み焼きにマヨネーズで「お母さん」と必ず書いて食べた。


お父さんはそれを見る度、やめなさいと僕を叱った。
現実を認めることから、全ては始まるんだよと、毎回同じことを言った。
それとも新しいお母さんが来た方がいいのか?とも聞かれた。

お父さん、何言ってるんだろう。

僕のお母さんはもう、お好み焼きなのに。

と言うとちょっと大袈裟かもしれないけど、お母さんと書かれたお好み焼きを想像しただけで包まれる、気持ちの暖かさは、母性という言葉以外には当てはまらない気がする。


僕は、彼女ができるたびに、お好み焼きを作ってとお願いした。

「でもさ、ナルミ君てお好み焼き食べた後って、絶対エッチしてくれないよね」

当たり前だろう。
じゃあ逆に聞きたいけど、君は母親と電話した後に必ずムラムラして、君を抱くような男がいいのか?

僕は、母性(それが勘違いだろうとも)を感じたいのであって、母と性欲を結びつけるなんて、Xvideoの中だけの話だと思ってる。(それにしたって僕には興味がないけれど)


初めて関西に行った時、

お店の人がお好み焼きを焼いてくれることに驚愕した。

僕は店員さん(しかも女性だ)に、マヨネーズで『お母さん』と書いて欲しいと頼んだ。

一緒に行ったその時の彼女は、露骨に嫌な顔をした。

「あなたのお好み焼きに対する想いは、何度も聞いたから知ってるよ?知ってるけど、私と初めての旅行先で、お母さんは無いんじゃないの?」

この女は何を言ってるんだろう。と思った。
お店にくれば、女の店員さんに『お母さん』入りのお好み焼きを作ってもらえるんだぞ。

なら、君はほとんど用なしじゃないか。


きっちり1週間後、僕は関西に引っ越した。
仕事はやめた。
あの彼女は、捨てた。
理由を正直に話したら、「ふっざけないでよおおお!」と激怒していたけど、知るもんか。

だって、関西のお好み焼き屋には、僕の全てがあったのだから。