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抱きしめ合ったら脇汗

1年ごとテーマの変わる冬眠型もてらじ村民ブログ

キラキラ

 

 

うつ病と診断されたのは、
大して暑くも無かった夏の終わりだった。

すこしのショックもあったが、
(やっぱりそうか)という気持ちが大半を占めていた。


このベンチャーな会社に、
そして会社を通して社会に少しでも貢献できるならと、
ひとり夜遅くまで頑張ったりもした。


異変を感じたのは、そんな頃だった。

とにかくぼーっとしてしまう。
仕事が全くできない。


(疲れてるんだろう、忙しいしな)


と、思って気にしないで毎日を過ごしているうちに、

朝、ベッドからどうしても起き上がれなくなった。


会社に事情を説明すると、

(1ヶ月くらいのドーンとした休みが欲しいなぁ)

と、密かに描いていた小さな夢が、
給料の出ない“休職”という形で、叶ってしまった。


幸い、結婚はしていたが子供はおらず、
妻も働いていたから、
1ヶ月くらい収入が無くても、
すぐに生活苦になる心配は無かった。

しかし、
自分が働いて稼いでいない食事だと思うと、
ご飯もおいしくなくなっていった。


そして、予定の1ヶ月が経っても
仕事ができるまでに回復せず、
会社にその事を告げると呼び出され、
退職になると告げられた。

「解雇ということですか?」

と聞くと、

「いえ、会社の規則上の理由での自然退職という形です。」

と言った。


“自然退職”だなんて
なんて不自然な言い回しだろうと思った。

要はクビということだろうが、
なんだかもう、どうでもよくなっていた。

 

数ヶ月経ち、運良くうつ病がほぼ完治した俺は、
幸せのありかを探した。

すると、
この社会の見えないレールに乗っているヤツの方が、
アウトローな人々よりもはるかに変態に見えてきた。

 

そして俺は、アダルトDVD業界で働きだした。


今日の撮影は、
“人間ウォシュレット”という企画の、便器役だ。

 

毎日が、笑顔で満ち溢れている。