カルピス
授業中、僕から白い液体が飛びだした。
それは生きているみたいに、ずうっと伸びて、あの娘の口に入っていった。
まわりのみんなは、見えていないみたい。
黒板を見たり、ノートを見たりしてる。
そして、あの娘の喉が(コクッ)と、動いた。
その日から僕は、どんな時も、あの娘が今どの方向にいるのかが分かる。
小さい時も、大きく膨らんだ時も、必ず勝手に、あの娘がいる方向をピンと指し示すようになったからだ。
朝、下腹部に鈍痛が走る時は必ず、あの娘の家と反対の方を向いて寝ていて、お尻から先っぽが出ていて、イヤというほど、タマを圧迫している。
僕は、あの娘に、そんな状況を話すことにした。
放課後、あの娘を外に呼び出す。
説明し終わると彼女は少し笑って、
綺麗な一本背負いを僕にキメてから、
「やっぱり、カルピスって原液が一番だから」
と言い、僕の手を引いた。