【第一の門】食事処 和
信濃の國のどこか。
その門を一度くぐって、帰ってきた大柄はいない。
月に二度だけ現れる大柄の門…
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第一の門をくぐりに松本市にやってきた。
松本市といえば…
松本サリン事件である。なにしろ平成6年のことだから平成生まれにピンと来るはずはない。だが、僕が未だに河野さんの顔を思い出せるほどに、被害者の顔がテレビに出まくっていたあの冤罪っぷり。小学生だった当時の僕でさえ、サリンという劇物と同等、もしくはそれ以上に冤罪というものが、うすら恐ろしかった印象がある。
…はっ!これからウマイ食いものの話をするのに、サリンの話をしてしまった!これでもし今回の食事がカレーだったら、サリンという劇物から同じ劇物であるヒ素を連想して、うっかりあの事件が脳裏をよぎる最悪の展開になってしまうではないか。
ご安心あれ。今回は、カレーではない。
そもそも信州には、うまいものがたくさんあるのだ。まずはイナゴの佃煮、蜂の子、蚕、そしてザザ虫…はっ!今このブログを閲覧している9割以上の人の食欲が減退しているのが、オレのまぶたの裏内蔵の食欲スカウターに数値化されて見えたっ!!
…ということで。
よくぞここまで残った、勇者たちよ。
私と共にゆこう。
行先は、食事処 和 だ。
この店の名を一発で読める人間はいない。
かず?
なごみ?
まさか、わ?
フッフッ…ノンノン…まだまだ太刀筋が甘いぞ勇者たちよ。
か・の・う、と読むのだ。
すごいだろう。おそらく「日暮里」なんかよりも遥かに正解率低いぞこれは。
どういうお店か簡潔に説明するならば、全国の地方大学のそばにありがちな、学生の味方系だ。ちなみにこの近くには信州大学の松本キャンパスがある。
もちろん学生だけじゃなく、サラリーマンや、肉体労働系、そして僕みたいな食べるの大好きっ子も当然行くので、駐車場が欲しいところである。
和には駐車場、あります。
ただ…デカい、または車体の長い車はヤメた方がいいかもしれない。中に入ったあとの取り回しもさることながら、入り口を見て欲しい。
狭さが伝わらない…
が、この右側のレンガの壁が、妙に新しい理由はなんだろう…ネクストコナンズヒントである。
紹介した身としてはやはり、是非とも美味しく食べて欲しいのだ。ローンの残る愛車の、サイドミラーが粉砕した後に食べるご飯は、おそらく味がしないから気を付けて欲しい。
ガラガラ…引き戸を開け中に入る。
この店のシステムは、ほぼセルフサービスと思っておけば大丈夫だ。
なにしろここは、決して元気ハツラツじゃないタイプの、大人しそうなおばあちゃんと、耳の遠いおじいちゃんの店だからだ。
さあ、入って正面にある水をセルフで湯のみに注ぎつつ、
壁のメニューを物色していこう!
どうです、なんだか嬉しくなりませんか?
ワクワクしてきませんか?
ほとんどのメニューが、500〜600円台。
もちろん税込みだ。
最安の500円だけでも
・チキンカツ定食
・メンチカツ定食
・コロッケ定食
・玉子丼
・チャーハン
・カレーライス
を食べることができ、50円追加するだけで
・A定食(若鳥とコーンコロッケ)
・魚のからあげ定食
さらに50円追加、600円出すと
・B定食(若鳥味噌焼とメンチカツ)
・野菜炒め定食
・親子丼
・メンチカレー
と、ワクワクが加速し、650円も出そうものなら
・若鳥からあげ定食
・ミックス定食
・焼肉定食
・ハンバーグ定食
と、50円ごとに、選択肢がガンガン増えていく。
それに比例して、幸せな気持ちもグングン上がっていくシステムだ。
一番高いメニューでも、とんかつ定食・カツカレー・カツ丼の800円。
なぜか700円代のメニューはひとつもないから、650円を握り締めてお店に入れば、ほとんどのメニューから選べると思って間違いない。
うう…メニュー多くて迷う…
水を入れる間に決まらない場合は、こんな風に一旦席に座り、落ち着いて悩んでから、再び厨房まで行って声をかけるのもいいかもしれない。
おばあちゃんが待ってる…
過去に二度来た時は
A定食(若鳥とコーンコロッケ)
B定食(若鳥味噌焼とメンチカツ)
を、それぞれ食べて大満足した。
外食の楽しみ方というのは、人それぞれあるが、僕は全メニューを食べて、その中からお気に入りを探していくのが好きだ。なので
(今回はA.B以外だな…)
と懊悩していたその時、脳裏にポンッと浮かんできたのは、前回来た時に、学生達が口々に注文していたメニュー。。
「すみません、チキンカツください」
「チキンカツお願い致します」
「じゃあ、うーん。チキンカツで」
(なるほど、チキンカツか…)
もう一度メニューを見る。チキンカツは最安の500円!
よし、今回はこれでいくぞ!
チラチラ様子を伺ってくれてるおばあちゃんのところまでテクテク歩いていき
「すみません、チキンカツ定食ください!」
はぁい
注文を無事に終えたので、再び席に戻り、落ち着いて周りを見渡していく。
なるほど、漫画の品揃えはいかにも年季の入った食堂らしい統一感の無さで味が出てるな…
小上がりもあるから、前回は小さなお子様連れの家族連れもいたな…
ほう、二階もあるのか。
などと見ているうちに、それはやってきた。
「はい、チキンカツね」
第一の門、開門!
なっ…!まさかのカツ2段!!
え?500円…だよね?コレ。
ちょっと角度を変えてみよう…
うん。間違いなく2段である。
もし自分が、500円玉を渡されて「これで和食堂みたいなチキンカツ定食作って」
と依頼されたとしたら、ぜったい無理・・・作れる人いるのか?
こういう食堂にありがちな、付け合わせスパゲティも、このボリューム感。
伝わるだろうか・・・
もちろんご飯は、大盛りではく普通でこれなので、大盛にしたらどこまでドラゴンボール盛りに近づくのか、いつか見てみたい。
たっぷり大容量のソースが各テーブルにドン!と鎮座しているので、こいつをカツにもキャベツにもタラーリとかけたら、ワッシワッシと食い進めてゆく!ちなみにウスターではない。とんかつでもない。たぶん中濃だ。
ハイ、揚げたてのチキンカツをカリリと噛んだら
すぐさま飯をかきこんで、塩分を中和!
豆腐の味噌汁で口の中を潤したら、
キャベツで一旦リセット!
そんな定食コンボ食いが、旨くないわけがないのである。
サイコーだ。
福永法源の元信者たちなんかよりずっと、サイコーに違いない。
チキンカツを一枚食っても、まだあと一枚ある。
後半の一枚はこんな風にご飯にのっけて、チキンソースカツ丼にして食うのもアリだ。
多幸感が全身を包む。
あぁ、500円の定食でこの満足感はなんだ。
1000円ポッキリで、これを丸ごとおかわりさえできてしまうのか…大柄の味方だぜ……
ごちそうさまでした。お腹もいっぱいになったし、なんだか気持ちが満たされました。
そんな和食堂に対して、一つだけ不安要素がある。
それは、おじいちゃんおばあちゃんの年齢。誰か後継者がいればいいのだが、今のところその影はない。
昨年の記事でも書いた、惜しまれつつ閉店した巨大モンスターから揚げの名店「みや川」さんもそうだったが、こういう店はある日突然、まったなしで永遠に遠くに行ってしまうから、とっても寂しい思いをするのだ。
だから、もしこれを見て訪れる気になった皆さんは、なるべく早いうちに食べに行くことをオススメします。食事処 和でした。
2017年5月訪問時のデータ
食事処 和(かのう)
1100~1400
1700~2030
火休
P5程度
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さて、最後は並行企画、肉体のコーナー。
前回(5月27日)の体重は63.8kg
今回(6月9日)の体重は…
62.6kg
ちょっと減った!1.2kg減!
この調子なら12月までに61kg切れそうだがさて…
そして、腕立て100回への道!
計測2回目!うおおお!
え?プラス2回?たった?
遠っ…
100回、遠っ…
このペースだと半年で100回には到底届かないよ・・・?
プロテイン買うお金ないしなぁ…
次回、第二の門が開く…